(2)そなたの知恵とはいかなるものぞ?
(聖書箇所:列王記上1章―11章、歴代誌上28章―下9章。
ユダヤ王国第3代王。在位BC971―931年頃。)
徳川には「知恵伊豆」とよばれたブレインがおり、中国後漢には諸葛孔明という策士
がおりました。知恵に恵まれた人間は、洋の東西を問わず歴史の場面場面にいるもので
ございます。
イスラエルにもおりましたよ、名前を聞けば皆さん「ああ」と言います。
あのソロモンでございますよ。
彼の知恵を聞こうと方々から引きも切らさず人々がやって来、シバの女王もその噂を
聞いて訪ねて来たほどでございました。
シバ(シェバ)はサウジアラビヤのどこかとかエチオピアだとか言われていますが、
はっきりとはわかりません。が、通商によりかなりの富を貯え、目にする物品も多く、
方々の事情に通じていた、繁栄した国であったと思われます。
女王には、ソロモンなんてひよっこ大したもんじゃない、くらいの思いがあったので
ございましょう。
威圧するかのように、多くの従者を連れ、香料や金、宝石なんかを携えてきたのでござ
います。ところがどっこい、肝をつぶしたのは自分でございました。
彼女の問いに答えられないことが何一つない知恵のすばらしさはもとより、ソロモンの宮殿、食卓、衣服、祭儀、どれをとっても圧巻。
彼女をしてこう言わせしめたのでございます。
「わたしが国であなたの事と、あなたの知恵について聞いたことは真実でありました。
しかしわたしが来て、目に見るまでは、その言葉を信じませんでしたが、今見ると
その半分もわたしは知らされていなかったのです。あなたの知恵と繁栄はわたしが
聞いたうわさにまさっています。」
「あなたの奥方たちはさいわいです。常にあなたの前に立って、あなたの知恵を聞く
家来たちはさいわいです。
あなたの神、主はほむべきかな。主はあなたを喜び、あなたをイスラエルの位にのぼ
らせられました。主は永久にイスラエルを愛せられるゆえ、あなたを王として公道と
正義とを行わせられるのです。」
こちらもヒゼキヤと同様王子様。しかし違うのは父親が偉大な王であったこと。
彼は、父ダビデが拡大した王国を受け継ぎ、40年治めたのでありますが、外交に、
貿易に、事業に、手腕をふるい、立派な神殿と宮殿を建て、この上ないほどの繁栄を
極めた国を作ったのでございました。
ある時主が夢に現れて「あなたに何を与えようか、求めなさい」とおっしゃった。
ソロモンの答えやいかに。
「聞き分ける心を与えてあなたの民をさばかせ、
わたしに善悪をわきまえることを得させてください。」
よく言った! でございます。
自分のために長寿や富や敵に勝つことなどを求めず知恵を求めたことは大いに主の
みこころに適い、主は求めた知恵に加えて富と栄誉も与えると約束されたのでござい
ます。
ソロモンは政治的な思惑からエジプト王と縁を結び、パロの娘を娶りました。
彼の残念なところは、ここでございます。
聖書に「多くの外国の女を愛した」と記されております。モアブびと、アンモン
びと、シドンびと、ヘテびとの女を愛したと。これらの国民は、主が交わってはいけ
ないと命じた異教の民族でありました。
昔から、「三大気を付けるもの」と言われているのが、金、権力(名誉)、女、
でございますよ。女性と言うのは良くも悪くも影響力のあるものでございますな。
案の定、外国人の奥方は自分と一緒に異教の神々や習慣を連れてまいりました。
ソロモンは妻たちの持ち込んだ偶像に従い、主の目に悪を行うようになったので
ございます。あんなに謙遜で立派だった人間のこの体たらくは何とする。
主はお怒りになられ、
「わたしは必ずあなたから国を裂き放して、それをあなたの家来に与える」!!!
と、宣言されたのでございます。
これが、彼の死後イスラエルを北王国(10部族)と南王国(2部族)に分裂する
火種となったのでございます。 (え、ソロモンはどっちか、南でございます。)
まさに、初心忘るべからずでございますな。
「ただ、わたしが来る時まで、自分の持っているものを堅く保っていなさい。勝利を
得る者、わたしのわざを最後まで持ち続ける者には、諸国民を支配する権威を授ける」
黙示録2:25
ロバの子のつぶやき・・・ これではあまりに「ざんねん」。こっそり教えちゃう。
北イスラエルの王座はダビデの血筋とは関係ない臣下や奴隷などに簒奪され、19人の王様が全員
「悪王」だったのに、南ユダはダビデの直系が受け継ぎ、偶像を一掃して国と宗教を立て直したりし
た「善王」が何人かはいたの。少しは慰めとなりましたか?
だからね、北イスラエルがアッシリヤに滅ぼされたあと135年間も王国が続いたの。でも・・結局
バビロンに滅ぼされ捕囚になってしまったんだから・・・やっぱり ざんねん かなぁ。
ここでちょっと寄り道・・・
知恵とは
(広辞苑) 物事の理をさとり、適切に処理する能力。
(仏)真理を明らかにし、悟りを開く働き。
今日では、一般に、科学的知識とも利口さとも異なる、
人生の指針となるような、人格と深く結びついている
実践的知識を言う。
(新エッセンシャル聖書辞典)
さまざまな知的、技術的能力やそれによって生み出され
た箴言、訓戒などを表す。知識、英知、訓戒、悟り、等
同義に使われることばも多い。
*霊的な力としての知恵 詩篇111:10、 箴言9:10
主を畏れることは知恵のはじめであり、主に対する信仰こそが
知恵の出発点であり、本質である。知恵は神のみことばを尊び
聞き従うところにこそある。エレミヤ8:9
*知恵はまた、倫理的行為においても実を結ばせる力、キリストの
ことばに基づき、互いに教え戒める力である。(コロサイ3:16)
この「上からの知恵」は、神を畏れ、みことばを尊ぶことによっ
て、生活上のすべての善悪を判断し、処理できるよう、神から
与えられる能力と言える。
*擬人化して使われる。箴言8:22
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